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3つの単語 短い話

シマウマ柄のシャワーカーテン

 

 

日曜日 夜、耳にした 声、ラジオ けっきょく今も わからないまま

 

 

変わらないことのよさみたいなものが重要視される風潮の中にあって、あえて変わっていくことの美しさについて思いを巡らせてみると、常に変わっていくこと、カラフルに、柔らかく、脱皮を繰り返すこと、それは軸がぶれているだとか、信念がないだとか、そういうたぐいの聞き飽きた陳腐な、月並みなクリシェを一蹴するための劇的な変貌であることが求められるが、しかし、第三者としての視点がそれに気付くことは決してない。あくまでも己の肉体、魂、そこのにみにて輝く変化(へんげ)の陶酔であり、むしろ、そのようにあるだけでいい。そこに他者の視点は介在しない。

 

常に柔らかく、カラフルに変貌していくことは自分自身に対して「さようなら」と「はじめまして」を繰り返すことだ。さようならは苦しい。はじめましてはしんどい。ところが月の裏側においてさようならは、心地いい。はじめましては、気持ちいい。総じて月に表も裏もない、と悟ることで我々は変化を通じて認知を超越する。過去の認知を脱ぎ捨てて蝶になる。でもそれは夢だ。胡蝶の夢を見た荘子と同じ、ひらひらと舞う蝶は自分であり、同時に蝶は蝶であるという覚めた意識を並列させながら、ただし、夢は一瞬の愉悦であり、まばたきの瞬間には再び繭に戻っている。はじめまして、と僕は言う。さようなら、と僕は言われる。

 

 

海の底 ゆらり寝ぼけた 宵の淵 ドアを開けたら 見てたシマウマ

 

 

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